「ダイハツ コペン開発物語」本を読んでの感想 コペンに愛着がわく1冊

ダイハツ コペン開発物語という本を読んでの感想

「ダイハツ コペン開発物語(三樹書房)」という本が出版されているのをご存知ですか?

>  ダイハツコペン開発物語 「クルマって楽しい」を届けたい

コペンの歴史は長く、2002年に丸目の初代コペン(アクティブトップ)が発売されてから、途中、生産終了を余儀なくされながらも、2017年現在の新型コペン(セロ、ローブ、エクスプレイ)に至るまで、15年以上にわたって人気のある車です。

「ダイハツ コペン開発物語」は、簡単に表現すると、NHKの「プロジェクトX」のような構成になっていて、1度は頓挫した新型コペンの開発プロジェクトを仕切りなおし、コペン開発チーフエンジニアの藤下氏を先頭に、新型コペンを世に送り出すまでの、コペン開発グループの苦悩と試行錯誤が垣間見れる内容の本になっています。

特に、「軽自動車」という限定された規格の中で、「操縦性能」、’「走行性能(乗り心地)」、「アクティブトップルーフ(屋根)」、「デザイン」を満足できるレベルまで追求に追求を重ねた、本当に雑巾の水が1滴も出なくなるまで、アイデアと知恵を出し切った、という印象をすごく受けました。

ダイハツ コペン開発物語を読んで特に気になった部分をいくつか紹介します。

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コペンには日本の車市場全体に対するメッセージがこもっている

ダイハツ コペン開発物語という本を読んでの感想

「若者の車離れ」、「車の運転が楽しくない」

これは、よく日本で車が売れなくなっていく理由として挙げられますし、その原因をこの2つに単純化してしまうのも極論だと思いますが、少なくともその原因の1つになっていると思います。

コペン開発物語の中で、度々登場するフレーズが

「クルマって楽しいを届けたい」

ということ。

実は私もその一人で、「正直クルマなんてどれも同じだし、移動交通手段でしかない」と、コペンに出会うまでは思っていました。免許取り立ての頃は、「車を初めて持った喜び」という面で、頻繁に遠出など、ドライブに出掛けていました(最初の車は5年間で12万キロ乗った)が、それ以降、車で遠出をするということもあまりしなくなりました。

「車は所詮移動手段」

免許をとって5年くらいすると、免許を取り立ての頃の「車を初めてもった、学生の頃の自転車生活からのパラダイムシフトからくる楽しみ」にも慣れてしまい、車を運転することに魅力を感じなくなりました。

そんな生活が7年くらい続いて、コペンに出会ったわけです。

今は、コペンローブS(mt)に乗っていますが、コペンを運転している時は、「車を運転する」というより「アウトドアを楽しんでいる」という心理状態になり、楽しくてしょうがないのです。

ちょっとコンビニでコーヒーを買う時でも、ついつい何かと理由をつけて、寄り道や遠回り(ドライブ)をしてしまうことが多々あります。まるで、免許取り立てのころの「車って面白い」という気持ちが確実に蘇ってきていると実感しています。ただ、コペンを運転する楽しさというのは、「物珍しさからくる楽しさ」ではなく、「純粋に運転する楽しさ」なんですよね。

とにかく飽きない。

それには、ルーフをオープンにできるということも当然含まれていますが、気持よく曲がれるカーブ、少し硬めのスポーティーな乗り心地、ルーフオープン時のマフラーのエグゾースト音。 これらをバランスよく楽しめるのです。

「クルマを運転する楽しさを届けたい」

まさに、私は、コペン開発テーマの思惑に、まんまとはまってしまいました。

車のことを調べるようになった

コペンに乗ってから、クルマについていろいろ積極的に調べるようになりました。

とりわけ、私が関心を持っているのは「オープンカー」ですが、コペンを乗れるだけ乗ったら(10年ほど)、次もまたオープンカーを購入したいと考えています。

Z4(BMW)やボクスター(ポルシェ)、アウディTTクーペロードスター(アウディ)など、デザイン的にも私の好みの車が多く、コペンを長期間乗れば、オープンカーのメンテナンスや注意点も、ほぼ全部見えてくると思うので、リスク計算もできて移行しやすいのではないかと思います。

オープンカーは、横から見た時の流線型がきれいですね。思わず見入ってしまう。

コペンはオープンカー入門車としても最適。

コペンは、「車を運転する」を趣味に変えてくれた車です。

初代コペン(l880k)が生産終了になった理由

新型コペンの最低地上高は低い

丸目のヘッドライトが愛くるしい初代コペン(l880k)は、惜しまれながら2012年に生産終了してしまったわけですが、初代コペンが生産終了になってしまった理由も書かれていました。

初代コペンが生産終了した理由は、「ボンネット歩行者頭部保護基準」という保安基準が法改正されたのが原因だったようです。詳しくはこちらの資料を>> ボンネット歩行者保護基準改正<国土交通省> 

初代コペンは直列4気筒JBエンジン(※現行は直列3気筒)でトルクもあり、今でも中古車市場で人気がありますよね?

新型コペンは直列2気筒エンジンを構想していた

ダイハツ コペン開発物語という本を読んでの感想

現行の新型コペン(la400k)は、直列3気筒の軽量エンジンを積んでいますが、新型コペン開発当初の構想としては、燃費を重視して直列2気筒エンジン構想を掲げていたそうです。

結局、直列2気筒エンジンを製造するには時間とコスト、また技術の蓄積(経験値のなさ)など、いくつかの要因が重なって封印されてしまったわけですが。実は、この直列2気筒エンジン構想が新型コペン開発が頓挫してしまった原因になっています。

最終的には、ダイハツのエンジンの中でも「最軽量」のKF-VETエンジンが採用され、チーフエンジニア総入れ替えで、新型コペン開発が再開したのです。

このあたりに

  • 技術への挑戦
  • 今までの常識を覆す試み
  • 開発コストと技術の妥協のかけひき

水面下のやりとりが、まるで自分がコペン開発プロジェクトに参加しているかのような臨場感を、本を読んでいるだけで感じられ、わくわくしました。

異端で尖った存在

ダイハツ コペン開発物語という本を読んでの感想

正直、私もコペンを購入した時、

「この車が200万円で買えるって安いよね?」

と、思いました。

その点については、コペン開発物語にも書かれていて、

「普通の会社ならこんな儲けがでるかどうか分からない車なんて開発しない。企画段階でボツにされる。」

こちらの記事でも紹介しましたが、
>> コペンが欲しい!気になってる! けど、周りに乗ってる人がいない?

日本の軽自動車の売れ行き年間トップ3に君臨している車(ホンダN-BOXなど)は、年間平均して15万台以上販売されています(新車)。反面、新型コペンは、多い年でも1万台に届いたこともなく、平均すると4000〜6000台くらい。

圧倒的に、販売台数が少ない車がコペンです。

そんなコペンに、ダイハツの執行部の方がGOサインを出したのですから、いかにコペンにダイハツ(現在はトヨタ傘下)が社運をかけているかが分かります。

コペンを市場投入した狙いには、「クルマを運転する楽しさを届けたい」というテーマ以外にも、コペンをダイハツのフラグシップ的な存在に仕立てて注目を集めて、ダイハツ車に興味を持ってもらう、というマーケティング側の狙いもあったようですが。

「軽自動車でオープンカー(自動電動式)」(他にも着せ替えできる)

というのは、コペンが日本で唯一無二の存在(=異端)なので、注目を集めるには十分でしょう。

まとめ

コペン開発物語を読んで、改めてコペンに対して愛着がわいてきました。

軽自動車という限られた規格の中での設計、性能とコストとの葛藤、軽自動車の常識を変えるという壮大なテーマ、すべてが限界まで考えぬかれて、世におくりだされたのがコペン。

私がコペンを購入した理由の1つは、コペン開発物語に書かれているような、コペンの設計思想、壮大なテーマに感銘を受けたからでもあります。

こんなに楽しいクルマを実現させてくれてダイハツさんには、ありがとうの一言です。

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